コンサルティング会社の代表が言うことではないかもしれない
正直に書きます。経営コンサルタントは、要らなくなっていくと思っています。
私自身がその仕事をしている人間です。それでも、そう思います。
理由は単純で、AIが賢くなりすぎた。経営の数字を分析して課題を出す、改善策の優先順位をつける、マーケティングの施策を考える。こういった仕事は、今のAIでかなりの精度でできます。私自身、わからないことがあればAIに聞いています。コンサルタントがやっていたことの大部分を、院長がAIと直接やり取りして済ませられる時代は、もうすぐそこまで来ています。
月額のサブスク、本当に必要ですか
歯科医院向けのサービスで、月額数万円のサブスクリプションがたくさんあります。採用媒体、MEO管理、SNS運用代行、経営レポート、研修プログラム。
全部が無駄だとは言いません。ただ、「それ、AIでできませんか?」と一度考えてみてほしいんです。
求人票の作成。AIで書けます。MEOの口コミ返信。AIで下書きできます。SNSの投稿案。AIに壁打ちすれば出てきます。経営数字の分析。データを入れれば、AIがレポートを作ります。
月額3万円のサービスを3つ使えば年間108万円です。AIツールの月額費用は数千円。浮いた分を、本当に必要なことに使った方がいい。
私の仕事も同じです
「じゃあICLも要らないのでは?」と思った方もいるかもしれません。
正直に言うと、今やっている仕事の一部は、数年後にはAIが代替すると思います。経営数字の分析、課題の抽出、施策の提案。この部分の価値は、確実に下がっていく。
これは私だけの話ではなく、コンサルティング業界全体の話です。「月1回訪問して、助言して、レポートを出す」というモデルは、AIの進化とともに成り立たなくなる。
だから、自分がやるべきことは何かを考え続けています。
それでも残るもの
AIにできないことが何かを考えると、今の時点で見えていることがあります。
一つは、その医院の中に入らないとわからないことです。
院長とスタッフの関係性。チェアサイドで実際に何が起きているか。待合室の空気。患者が受付で見せる表情。こういうものは、データには出てこない。AIにも見えない。
もう一つは、「やるかやらないかを決める」ことです。
AIは選択肢を出してくれます。でも、「この医院にとって、今これをやるべきかどうか」を決めるのは、その医院の文脈を深く理解している人間です。院長が一人で判断できることもある。でも、外からの目が必要な場面もある。
それが人間のコンサルタントである必要があるのか、AIで十分なのか。正直、まだわかりません。ただ、「この医院にとってどうか」を一緒に考えられる相手は、形を変えても必要だと思っています。
院長にやってみてほしいこと
難しいことは何もありません。
まず、ChatGPTでもClaudeでもいいので、一つAIツールを使ってみてください。無料で始められます。
「うちの医院の自費率を上げたい。何から始めればいいか」と聞いてみてください。驚くほどまともな答えが返ってきます。
次に、今契約しているサービスを全部リストアップしてください。月額いくら払っていて、それぞれ何をしてくれているのか。その中に「これ、AIで代替できるのでは」と思うものがあれば、一度試してみる価値があります。
全部を一気に変える必要はありません。一つずつ試してみて、「AIで十分だった」と思えるものから切り替えていく。それだけで、年間で相当な額が浮くはずです。
なぜこれを書いたか
「コンサルは要らない」と書くのは、コンサルティング会社の代表としては不利かもしれません。
でも、これを読んでいる院長に、無駄な出費を続けてほしくない。それは本心です。
私は、AIの進化に合わせて自分の仕事の形を変え続けるつもりです。今は、クライアントの医院に入って、業務の仕組みそのものを設計し直すことに軸足を移しています。AIで置き換えられる助言ではなく、現場に入らないとできない仕事だけを残す。
AIは道具です。上手く使えば、月額のサブスクも、コンサルタントも、要らなくなるものが出てくる。それでいいと思っています。
浮いた費用で、スタッフの待遇を改善してください。設備に投資してください。患者さんに還元してください。その方が、医院にとってはるかに価値がある。
株式会社Innovation Careers Lab. 代表取締役 楢原 峻
歯学博士/口腔外科専門医

