HPは開業のときに作ったきり。業者に月額は払っているが、何をしてくれているのかは正直よく分からない。集患に効いているのかも分からない。院長からよく聞く状態です。
実は、効いているかどうかはスマホで5分で測れます。今日は、私が自社のHPを測ったら散々だった話をします。
うちのHPには「24時間以内に返信します」と書いてありました
私は歯科医院の経営支援をしています。院長にHPの話をする側の人間です。
その自分の会社のHPに、「お問い合わせには原則24時間以内に返信します」という一文があります。問い合わせをためらう人の不安に答える、大事な一文です。書いた本人も、いい一文だと思っていました。
先日、この一文がスマホのどの位置に出てくるかを測りました。
17.8画面目でした。
画面を17枚分、下にスクロールした先です。初めて来た人がそこまで指を動かす確率を考えると、この答えは、無いのと同じでした。
17.8画面目
「原則24時間以内に返信します」がスマホで出てくる位置(自社HP実測)。迷っている人には、実質存在しない。
きっかけは、ある地方クリニックのHPを分解した投稿です。デザインは飾り気なし。それでも予約が入る。種明かしは、来院する直前の迷いに1画面目で答えている、それだけでした。
半信半疑で、自社サイトを同じ物差しで測ってみた結果が、この17.8画面目です。
患者さんは、読む前に迷っています
クリニックのHPに来た人が知りたいことは、実は数えるほどしかありません。
- 今日やってる?何時まで?
- 自分のこの症状、診てもらえる?
- 怖くない?どんな先生?
- で、どこから予約する?電話でいい?
これに答えが見つかれば、予約に進みます。見つからなければ、ページの奥は探しません。閉じて、隣の医院のHPを開きます。
やっかいなのは、たいていのHPに答えはもう書いてあることです。診療時間も、予約ボタンも、院長の人柄が伝わる挨拶文も、どこかのページには必ずあります。作った側は「載せてあります」と言えるし、実際に載っています。
問題は場所です。
よくある「答えの置き場所」
- 今日やってる?何時まで? → ページ最下部のフッター
- どこから予約する? → メニューを開いた中
- この症状、診てもらえる? → 診療案内ページの奥
- 怖くない?どんな先生? → 院長挨拶の中段
答えの位置は「何画面目」で数えられます
測り方は単純です。答えの一文がページのどの高さにあるかを、スマホ1画面分の高さで割ります。1画面目にあれば、開いた瞬間に見えます。3画面目を超えたら、そこまで読み進めてくれた人へのご褒美です。ご褒美は、迷っている最中の人には届きません。
自社サイトの実測結果を、恥を忍んで並べます。
- 誰が担当してくれる? → 0.5画面目(ここだけ合格でした)
- 返事はいつ来る? → 17.8画面目
- いくらかかる? → トップに無し。料金ページの4画面目すぎ
- 途中でやめられる? → 「解約」という言葉自体がサイトに存在しない
もうひとつ、痛い発見がありました。スマホの1画面目で押せるボタンが、ロゴとメニューの2つだけだったことです。パソコンで開けば、相談ボタンが画面に常に出ています。スマホでは、それがメニューの中に畳まれていました。うちに来る訪問者の大半はスマホです。いちばん多いお客さんに、いちばん不親切な作りになっていました。
「解約」の行も補足させてください。契約条件の説明はサイトにありました。ただし書いてあったのは「更新」という契約書側の言葉だけ。探している人の頭にある「解約できますか」という言葉では、どこにも書いていませんでした。
医院のHPに置き換えると、患者さんは「歯医者 怖い」「抜歯 値段」で考えているのに、ページには「痛みに配慮した診療」「料金のご案内」という院内の言葉しかない状態です。同じことを言っているようで、探している言葉では見つかりません。
直すのに、新しい文章は1文字も要りませんでした
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
自社サイトにやったことは3つです。
1つ。スマホの画面上部、メニューの外に「相談する」ボタンを常設しました。ボタンは元からサイト内にあったもので、置き場所を変えただけです。
2つ。1画面目のすぐ下に、答えをまとめた帯を1行置きました。対応地域、相談無料、返信までの時間、今月の受け入れ枠。4つとも、下層ページの奥から拾ってきた既存の文章です。
3つ。よくある質問の質問文を、探す人の言葉に変えました。「契約の更新について」を「途中で解約できますか?」に。回答文は一字も変えていません。
デザインは触っていません。ライターにも頼んでいません。リニューアルでもありません。サイトの奥にしまってあった答えを、前に出しただけです。
17.8画面目 → 1.5画面目
返信スピードの答えの位置。書き下ろした新しい文章は0文字。
リニューアルの見積もりを取る前に、確かめてほしいのはここです。多くのHPで、答えは消えていません。奥にしまってあるだけです。しまってある答えを前に出す作業は、作り直しの何十分の一の手間で済みます。
今日、ご自身のスマホで測れます
初めての患者さんになったつもりで、ご自身の医院のHPをスマホで開いてみてください。見るのは3つだけです。
1. スクロールせずに、今日やっているか・何時までかが分かる(診療時間表がフッターにしか無ければ×)
2. スクロールせずに、押せる「予約」か「電話」がある(ロゴとメニューだけなら×)
3. 入口に患者さんの言葉(痛い・怖い・値段)がある(病名と「料金のご案内」だけなら×)
3つそろって1画面目にあれば、そのHPは仕事をしています。デザインが古いかどうかは、その次の話です。
よくある引っかかりに、先に答えます。
「業者に頼まないと直せないのでは」
帯を1本足す、ボタンをメニューの外に出す程度なら、保守契約内の軽微修正で収まることが多いです。この相談への返事が「リニューアル一式のお見積もり」だったら、頼んだこととは別の提案が混ざっています。
「うちは口コミと紹介が中心だから」
紹介で来る人も、来院前にHPを開きます。確かめているのは診療時間と場所と予約方法。つまり、この記事の3問です。
「時間がない」
測るのは5分です。直すかどうかの判断は、測ってからで大丈夫です。
こんな状態に心当たりがあれば、一度ご相談ください。
- リニューアルしたのに問い合わせが増えず、また別の見積もりを眺めている
- HPの月額費用を何に払っているのか、自分の言葉で説明できない
- スマホで自分の医院のHPを、最後まで見たことがない
ICL(Innovation Careers Lab.)でHP・集患の無料相談を受けています。
相談フォーム https://invcareers-lab.co.jp/contact/
LINE https://line.me/R/ti/p/@673yvenv(合言葉「1画面目」と一言だけで大丈夫です)
実測について。2026年8月28日、自社サイト invcareers-lab.co.jp をスマホ表示(375×812)とパソコン表示(1280×720)で計測しました。本文の数字はすべてこの実測値です。
Author
楢原 峻
株式会社Innovation Careers Lab. 代表取締役
歯科医師 / 博士(歯学) / 日本口腔外科学会 口腔外科専門医
長崎大学病院口腔外科で11年間、臨床・研究・教育に従事しました。2020年から2023年まで医局長を務め、現在は歯科医院を中心に、AI・DX導入支援と経営コンサルティングを提供しています。

