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Astra登場で、歯科医院はどう変わるか

OpenAIがGPT-6 Astraを出しました。同じ週に、NVIDIAのファンCEOが「AGIは到達した」と投稿しています。AIってどのモデルがいいの?なんか役に立つの?っていう先生が大半だと思います。私は、手を動かす仕事が最後まで残るからこそ、その前にあるPCの仕事から先に変わっていくと見ています。

Astra登場で、歯科医院はどう変わるか

OpenAIがGPT-6 Astraを出しました。同じ週に、NVIDIAのファンCEOが「AGIは到達した」と投稿しています。AIってどのモデルがいいの?なんか役に立つの?っていう先生が大半だと思います。私は、手を動かす仕事が最後まで残るからこそ、その前にあるPCの仕事から先に変わっていくと見ています。

「AGIが来た」と言った2人

サム・アルトマンはXに、GPT-6 Astraはコンピュータ操作、専門職の仕事、科学、コーディング、サイバーセキュリティで世界最良のモデルだと投稿しました。原文は computer use, professional work, science, coding, cybersecurity, and more です。5つを名指しして、あとは and more で括っています。

「AGIの時代へようこそ」は、OpenAI社長のグレッグ・ブロックマンの言葉です。記者向け説明会の締めでした。

ファンCEOは、ChatGPTからo1、そしてAstraまで4年、AGIは到達した、と投稿しています。3万7千を超えるいいねがついています。

AGIかどうかは、私にはわかりません。ただ、実感としてPCの仕事はほぼAIで片付く。そして、以下の5つが自分の医院にあるかどうかは、すぐ分かります。

Astraは、ChatGPTの月3,000円のプランから使えます。

医院の仕事を診療と事務に分けると、事務の仕事は全部候補になります

自分の会社では、PCの仕事はほとんどAIに移りました。歯科医院で言えば、診療が終わってから始まる書く仕事ですね。マニュアル、在庫の表、SNS、口コミの返信、ホームページの文章、SOAPの下書き、治療計画の叩き台。そこに患者説明の資料と動画を足すと、9つになります。

カルテに関わる下書きは、歯科医師が確認してから使います。歯科医師の確認は今後も要ります。ゼロから書く時間がなくなるだけです。

9つのうち、いちばん先生の頭の中が要るのが患者説明です。同じ説明を1日に何回もしているのに、文章にも絵にもなっていない。私がまずAIに任せたのも患者説明でした。

親知らずの説明動画を、Astraに作らせてみた。

この記事を書き始める1時間前に、Astraに親知らず抜歯の患者説明動画を頼みました。症例は右下の親知らずで、手前に傾いて半分埋まっているものです。AIに伝えたのは術式の順番と、神経がどこを走っているかということだけです。

1時間もしないうちに、120秒の動画になりました。術式の決め絵を始点と終点に置いて、間の5秒だけ動かす作り方です。その素材を9本つないでいます。手術の8工程で84秒、下歯槽神経と舌神経と抜歯後のトラブルで36秒。字幕付きで、音はまだ入っていません。読み上げ原稿の案も、場面ごとに11行出てきました。

Astraは自分で検品もしていました。麻酔の1本目は出血が描かれたので捨てて、器具を固定した2本目に差し替えています。切開の1本目は画角に指が出たので、手を外に出して作り直していました。合併症の確率は動画に焼き込まず、根拠になった論文4本を別のファイルに分けて残しています。
AIは視覚が弱点と思っていたのですが、Astraではかなり改善が見られます。

監修はまだしていませんが、ほぼ修正なしでこのクオリティです。

もちろん既製の説明動画もあります。歯科医院向けの動画配信で、初期費用10万円、月額1万9千円、300本以上の動画が入っているサービスがあります。300本のどれも、自院内の術式ではありません。汎用の動画には、先生の頭の中が入っていないからです。

貯まったデータから、医院の中の発見が出てきます

動画を1本作ると、副産物が貯まります。先生が直した箇所、患者さんが詰まった質問、説明にかかった時間、同意までの回数、動画を見たあとに質問が減ったかどうかが、1本ごとに残ります。

今日直した3点は、次に同じ図を作るときの指示に足せます。直しを貯めると、次の下書きが最初から近いところに来ます。医院の言葉で直した回数が、その医院だけの資産になっていきます。

私は自分の走る練習のデータも毎日貯めてます。貯めて初めて分かることがあると身体で知っているので、医院でも同じだと思っています。ささいなことでも貯めておく。分析に使えるかどうかは、あとで決めればいいです。

手を動かす仕事は最後まで残ります。しかも免許制です

自動運転ですら、公道の許可がなかなか下りません。人の口の中でAIやロボットが単独でメスを持つ許可は、その後です。複雑な技術は最後まで残ります。歯科医業は歯科医師でなければできないと歯科医師法17条が決めていて、免許制です。

外圧で順番が早まることはあります。それでもやっぱり最後になると思います。

手技の側にいる人ほど、PCの仕事を先にAIに渡したほうがいいです。書く時間が減った分、手技と患者さんに使える時間が増えます。

だから、早いほうがいい

まず、いちばんよく繰り返している説明を1つ選びます。親知らずでも、根の治療でも、インプラントでも。次に、自分の言葉で順番どおりに話します。録音でも走り書きでもいいです。話した内容をAstraに渡して、文章か絵の下書きを作らせます。最後に赤を入れます。赤は捨てずに残しておきます。

半年後には、最初の説明を動画が先にやって、先生は赤を入れる人になっています。患者さんから来る質問は、動画が答えていない分だけになります。その質問も貯まります。

よくある質問

Q. うちは1人でやっている医院なんですが

要るのは先生の言葉と、解剖を見る目です。人数は関係ありません。説明を全部先生がやっている医院ほど、1本作ったときに減る時間は大きいです。カルテに関わるものは歯科医師が確認します。

Q. お金はいくらかかりますか

Astraは月3,000円のプランから使えます。今回の動画の生成費は、ログの概算で1ドル弱でした。既製の説明動画サービスの初期費用10万円と比べると、桁が2つ違います。

Q. 業者に頼むのと何が違いますか

実際の現場を知っているかどうかです。AIは導入より浸透のほうが大切で、いくらお金をかけてもスタッフが使ってくれなければ意味がありません。どの作業なら受付が引き受けてくれるか、どの言い方ならスタッフが手を止めずに済むか。診療室の中で何度も見てきた分だけ、業者よりは読めます。上の図で私が直した3か所も、外から見ているだけでは気づきません。

私の仕事について

口腔外科で13年やってきて、いまはICLという会社で自社の仕事をAIで回しています。請求書の下書きも、動画の台本も、上の動画もAIに任せています。歯科医院へのAI導入の支援もしています。

ご相談

いま、こんな状態になっていませんか。
AGIのニュースは読んだけれど、医院で何から始めるか決めていない。
同じ説明を1日に何回もしていて、そのたびに時間が溶けている。
業者から来たAIの見積もりが、高いのか安いのか判断できない。

ひとつでも心当たりがあれば、合言葉をひとことだけLINEで送ってください。文章は要りません。

合言葉「AI活用」

こちらから売り込みはしません。医院でAIに任せられる仕事の一覧と、先生の言葉をAIに教える手順をまとめたページをお送りします。

歯科経営サポート(LINE @673yvenv)https://line.me/R/ti/p/@673yvenv

出典

楢原 峻

Author

楢原 峻

株式会社Innovation Careers Lab. 代表取締役

歯科医師 / 博士(歯学) / 日本口腔外科学会 口腔外科専門医

長崎大学病院口腔外科で11年間、臨床・研究・教育に従事しました。2020年から2023年まで医局長を務め、現在は歯科医院を中心に、AI・DX導入支援と経営コンサルティングを提供しています。

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